画像

アディクション、依存症

アディクション・依存症とは

アルコール、市販薬、違法薬物、ギャンブル、ゲーム、過食、嘔吐、万引き、セックス、痴漢、盗撮、自傷、暴言暴力などが「やめたいけどやめられない」となったとき、その問題をアディクション依存症、嗜癖(しへき)等といいます。「何か不都合が起きているにもかかわらず、ある行動のコントロールがうまくいかない状態」とも言えるでしょう。依存症という用語は、医学的には細かい定義があり、薬理作用との関係で用いられることが多いため、以下の説明では「アディクション」を用いたいと思います。

孤立の病としてのアディクション

アディクションの問題というのは、ほとんどの場合、人や社会とのつながりにマイナスに作用を及ぼします。身近な人の態度は、非難や軽蔑といった色味を帯びるようになり、当人には「恥」、「怒り」、「不安」、「孤独」などの感情を引き起こします。進行すると、隠し事やウソが増え、孤立化し、それがさらなるアディクションの引き金となり、負の連鎖を引き起こします。

アディクションは「孤立の病」などともいわれます。回復の方向へと向かい、再発を防ぐためには当事者の方もその家族の方も人とつながることが重要です。当方、主にアルコール問題を専門としてきました。しかし、どんな依存・嗜癖対象であれ多くの「共通項」があるものと考えておりますので、アルコール以外のアディクションであっても可能な限りご相談に応じます。 ちなみに、違法薬物の所持、使用、売買に関してカウンセラーが知りえた情報を警察に通報することは一切ありませんのでご安心ください。

アディクションに悩む当事者の方へ

アディクションにおちいってしまうのは、あなた自身に非があるわけでも、あなたの人格に問題があるわけでもありません。そして、人に相談することは負けでも、弱さの証でもありません。現状を変えるための勇気あるこころみです。もしかしたらあなたの中には「変わりたい気持ち」だけではなく「現状にとどまりたい気持ち」もあるかもしれません。「このままじゃいけない」と感じた翌日には「やっぱり、そんなに問題はないかも」と思い、そこを何度も行きつ戻りつされているかもしれません。それでもOKです。その気持ちの「ゆらぎ」をそのままお話しいただく中で、何が一番ベストなのかを一緒に考えていきたいと思います。必ずしも「やめる」ことだけを唯一の選択肢とはしませんのでご安心ください(ただし、暴力、痴漢、盗撮など被害者が生じる行為の場合は「やめる」ことが大前提となります)。もしかするとその嗜癖・依存対象には、あなたの抱えるこころの痛みや苦しみをやわらげてくれていた一面があるかもしれません。必要であればアディクションの背後にある生きづらさ満たされなさ喪失感といった根本的なテーマに取り組むこともできます。ほかにも、以下のような悩みやニーズに対応しています。

・やめたいけれど一人では難しい
・依存症とまではいかないけど、今の状態に危機感がある。
・病院を受診するべきかどうか悩んでいる。
・やめられず、自分を責め、落ち込み、また同じことをしてしまう。そのサイクルから抜け出したい。
・やめているけど、またスリップ(再発)するのを防ぎたい。
・周囲に理解してもらえないのが辛い。
・嗜癖問題により悪化した家族(パートナー)との関係を改善、修復したい。

家族やパートナーのアディクションにお悩みの方へ

アディクションの問題は、周囲の方も巻き込まれ困惑・疲弊してしまうケースがほとんどです。そして家族も心身に不調をきたすことは珍しくありません。「本人に治す気がない」、「こんなに言っているのになぜ分かってくれないのか」、「自分だって辛い」、周りから「あなたがちゃんとしなきゃ」と責められる、「なぜ私は報われないのだろう」そんなふうに感じて途方に暮れてしまうこともあるでしょう。一方で、気軽に他人に相談できる内容ではないため、家族内で抱え込んでしまい、ますます精神的に追いつめられていくケースも多くあります。家族にも気持ちを吐き出し、受けとめてもらい、あたたかくケア・サポートしてもらう場が必要です。また、ご家族がアディクションについて正しく理解し、ご本人への対応をすこし工夫することで事態が改善・進展する場合もあります。以下のようなお困りごとに対応可能です。

・本人に自覚がなく、話し合いにならない。
・受診させたほうがいいのか気になる。
・地域、周囲の人には知られたくない。でも家族だけでは抱えきれない。
・本人は病院に行く気がない。でも、カウンセリングなら受けてくれるかも。
・本人を同席させるので、自覚を促してほしい。変化への意欲を高めてほしい。
・どういうふうに対応すればいいのか知りたい。
・本人とのコミュニケーションを改善したい。